『ねばならず』足立尚彦
足立尚彦第三歌集。
2008年4月26日喜怒哀楽書房刊。1,000円。
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著者 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/9392/
題詠マラソンを初出としたものも多く、印象深い歌が並んでいた。一度はWEB上で公開された歌集であり初見ではないがやはり一冊のかたちになった方が読んで胸に落ちるものがあった。かねがね言葉の巧みな人だと思っていたが、ちりばめられた言葉遊びやアフォリズム風に描き出される世界観は読むほどにさみしく、単なる技巧としてではなく虚無や孤独との闘いの様相をもって迫ってくる。適度な湿り気を帯びた文体に生じるいい意味での甘さが詩情をくゆらせているように思われた。下に引いた二首目の石鹸の歌などに、突如叫びながらすべてを放り出してしまいたくなる寸前のぎりぎり感のような凄みを感じる。
くるこないくるこな雪の舞う夜は待たず待たれず酔う寒いから
石鹸が使われ小さくなるときはいつもあかりに照らされている
小京都の小のほどよき健気さを保ち続けているのもだるい
台風の進路が徐徐に西にずれ東に安堵する人だらけ
窓よりもぜったい広いはずなのに秋空の青 くくられたあお
傷のない卵をふいに割るようにおまえを抱けばこんなに今日だ









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