04/30/2008
お昼過ぎになんとか3点目の作品が仕上がったので、企画展の会場に搬入しました。すでに他の作家さんたちの作品も集まっていて、そのあまりの個性豊かっぷりに感嘆したり思わず笑ったり。完成度の高さではさすが中村葉子さん。どんな企画でも安定した自分の仕事を貫く藤崎友子さん。大胆で美しいちからを感じさせる寺山香さん。ほかに豚星なつみさん、サトウ可奈子さんらの作品が並ぶことになります。わたしは今回は油彩でもパステルでもなく、ペン画を出しました。御覧いただけますと幸いです。→こちら
月刊「セーノ!」6月号、発売になってます。第三回「短歌の花道」の題は「雨」。今月はちょっと詠草が少なかったかなと思いましたが、特選の西畑春子さん、端正な詠いぶりはさすがでした。名歌鑑賞は穂村弘さんの一首をとりあげています。是非御覧ください。なお7月号の題は「青」で5月10日締切、8月号は「書」で6月10日締切です。詠草お待ちしています。
まわりつつ削られてゆく二〇〇八年氷一号がいま手のひらに/ひぐらしひなつ
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04/29/2008
フレームに色を塗って装飾の金具を取りつけて、作品3点のうち2点が完成したのですこし安心。思いのほか自分らしいテイストに仕上がってくれて、引き出しが増えた手応えがありました。間にあいそうならもう1点も仕上げて搬入予定です。
今日はJリーグ第9節、アウェイでvsFC東京戦。完全に力の差が出た印象でした。とはいえ怪我人が多くベストメンバーとは言えない状況でよく1失点に抑えたと思います。ただプレーに余裕がなかったのは問題で、審判の問題もあり一方的にカードの多い試合になったことが非常に残念。おかげで次節新潟戦はホベルト、モリゲ、前俊の3人が出場停止となってしまいました。苦戦が予想されますが、腐ることなくサブのメンバーに頑張ってもらわなくては。
【補足】深夜、この試合の審判にまつわるニュースが流れました。西村雄一主審はそのジャッジの不安定さによりもともとサポーター間では悪評高いとされる審判ですが、今回のことは大分サポでなくても看過できませんね。協会の動きを待ちたいと思います。
すっきりしない気分を切り換えるべく、勉強会メンバーから送られてきた詠草の添削と鑑賞。韻律の効果や一語一語の与える印象についてもっと神経質でありたいものです。
かつて父に肩車され訪ねたるパンダ舎に繊く降りしきる雨/ひぐらしひなつ
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04/28/2008
結局、企画展の搬入は最終日ぎりぎりまで待ってもらって、今日もひたすら描いていました。単純作業になったら音楽でも聴きながらやろうと思っていたのですが、とうとう夕方までBGMなしのまま神経張りつめっぱなしの羽目に。聴覚から疲れることが多いし、大抵あたまのなかで言葉をいじって遊んでいるので、生活音だけのほうが集中しやすいのかもしれません。
夜、気分転換にとアンソロジーを繰りはじめたらとりとめないままに時間が過ぎてしまいました。技術的に巧いと感じる歌と巧くないと感じる歌を抜き出して分類してみたり。巧いと感じる歌の奥行き感を、実作者でない読者はどの程度感受できるのだろうとか考えつつ。
ペン先の擦れる音が不規則に午後を浸食してみどりなす/ひぐらしひなつ
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04/27/2008
月末までに仕上げなくてはならないはずの平面作品、うまく進捗せず。とりあえず頭を切り換えて画材を買い直しに出かけました。もとより奇をてらうことなどはできないタイプだし、こつこつ描くしかないわけですが。
もう初夏と呼びたくなるような陽気で、街路樹の新緑が見る見る濃くなるのがわかります。世間ではGWというものがはじまりつつあるらしく、車の流れがいつもとは違っていたり。仕事が一段落つくごとになるべく外に出て陽にあたろうと思う次第です。
ほほえんだあなたの声が桜から欅に変わる午後をそよいで/ひぐらしひなつ
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04/26/2008
今日からまた3連戦ということで朝からスタジアムへ。Jリーグ第8節はvs横浜Fマリノス戦。能力の高い選手を多数かかえた強豪相手に正直勝ち点を獲るのは難しいのではと思っていましたが、見事に1-0で勝利をおさめることができました。しかも深谷のオーバーラップからのミドルシュートという珍しいかたちでの得点。マリノスがいつものパフォーマンスを発揮できていなかったことにも助けられつつ、ダブルボランチと3バックの献身的な仕事や夢生の個人技、ネモのからだを張ったディフェンス(!)などで貴重な1点を守り抜きました。終了間際のロニーと大海は面白かったな。山瀬兄とかオオシとかは本来の調子を発揮できていなかった感じです。ボンバーは相変わらずエレガントで美しい生きものでした。
本当はその後べっぷプロジェクトの朗読イベントにお邪魔するつもりだったのですが、体調を考えて自重。次回は伺えるといいなと思っています。
深夜、個人的にだいじな電話。他愛ないことから考えかたのヒントまで。いろんなことが見えてきたり癒されたり。とにもかくにも日々淡々と足腰を鍛えることだなと、あらためて感じました。感謝なのです。これからまた歩を進めてゆくことになるにあたって、ちょっと元気になれたみたいです。
水からあがるように迷いを振り切って走れば夏にとどく指先/ひぐらしひなつ
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04/25/2008
午前、通院。診察カードを出したつもりがうっかり保険証を渡していて、受付の人を戸惑わせてしまいました。疲れているようで「両生類」と言うべきところなのに「水陸両用」と言ってしまったり。当然笑われました。
いつもよりやや長めの診察のあと、その足で市内に戻り「セーノ!」の取材。今回紹介するのは「塩サブレ」でした。7月号掲載です。撮影用の塩サブレを久保くんのスタジオに届け、一服してから編集部に立ち寄ってそのままAT HALLへ。支配人の河村さんと軽くうちあわせなどしました。
街に出たついでに書店で短歌総合誌をチェック。書籍の棚もひととおり見ましたが、担当者が変わったのか本の並びががらりと変わっていました。読みやすい入門書を紹介して欲しいと言われていたので何冊か物色。まずは自分が読んでから、というわけで夜は読書時間なのでした。
やんわりと伝えましょうか音たてて爪切りながら死ねとごとくに/ひぐらしひなつ
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04/24/2008
今日も気分すぐれず、で、ごろごろしていたら来月からはじまる企画展の主催者から電話がかかってきました。作品を取りにいきますという予告で、まあ半ば原稿催促のような…。なんとかかたちにしなくてはとペンを執り、好きに描いていたらなんだかとても病んだ感じの絵になったので怖くなって破棄しました。そのあと気持ちを落ちつけて描いたらひとつすっきりしたのが完成しましたが、なんというか破棄した方のがいいという人もいるんだろうなー、と思ってみたり。
でもわたしの場合は、短歌でもそうであるように、抜けのいい状態にまで持っていったところで野に放つことが多いのだと思います。自己の内部のどろどろしたものと向きあってゆく過程を描くタイプの人もいて、それはとても鬼気迫るものがあるのですが、どうもわたしは「過程」が作品になりにくい。それを極めるのか打ち破るのか迷うことはしばしばあるのですが。いずれにせよまだまだ強度が不足していると思うのです。
明日は病院と取材と打ちあわせ。来月にかけてしばらくハードスケジュールが続きますが、楽しみにしていることも多いので頑張ります。
暗がりにレモン石鹸吊るされて灯れば加速する夜がある/ひぐらしひなつ
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04/23/2008
朝ゴミを出しに外に出たときは晴れていたのに、まもなくずっと本降りの雨でした。何通か書かなくてはならない、あるいは書きたいメールがあるのにどうしても書けず。ちょっと思考に詰まった感じで身動き取れなくなっています。固まっていても仕方がないので郵便局に出かけたついでにこまごまとした買物を済ませて、なんとなくからだを動かしたかったので部屋の掃除などしました。
夜はACL観戦。ガンバ大阪vsメルボルンヴィクトリー、大分在籍時代から応援していた山崎雅人選手の2ゴールで勝利しました。一方アントラーズはアウェイの洗礼で北京国安に敗戦。あんなに責めあぐねている鹿島はひさびさに見ました。疲労もあるんでしょうね。
伯爵こと北夙川不可止さんの文芸同人誌「銀聲」が創刊しています。招待にあずかり短歌二十首「画家と糸杉」を寄稿しました。そろそろ各所に出回る頃かと思います。御覧いただけますと幸いです。
そんなにもきみがきれいに笑うためまた逢うために雲が途切れる/ひぐらしひなつ
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04/22/2008
光市母子殺害事件の結審が気になりつつ朝から外出。遺族、とくに本村洋さんが事件後に費やした二十代のほとんどの時間を思うと胸が苦しくなります。ここに至るまでの精神の道のりはどれほどのものだっただろう。事件をめぐってのいろんな思惑の交錯も、現場に近ければ近いほどよく見えたことだと思います。それに対してなにか言わなくてはならないような、でもなにを言っても上滑りしてしまうような。事件や事故、戦争などの報道のまえに思わず沈黙してしまう自分がいて、でもわたしは「つらいからニュースは見ない」とは決して言わない。見届けて考えてより深く自分が生きることが社会との最も誠実な関わりかただと思うからです。当事者にとっては単なる野次馬としか感じられないのかもしれないけれど、とも思いつつ。
用事を済ませるために街に出たら、ちょうどトリニータの三連戦のビラ配りの最中でした。FCの方にお会いしてちょっと挨拶。今季に入ってからまだ観客動員数が少ないのでなんとかスタジアムへ運んでもらいたいものです。ルーキー4人も一緒にビラ配りしていて、先日インタビューさせてもらった井上裕大くんとちょっとお話ししました。記事、気に入ってくれたみたいでよかったです。パーマはまたかけるんだとか(笑)。その「WG」、今月号も発売になってます。今回のTriFileは小林亮選手です。書店やコンビニで是非お求めください。
インタビューの際、保険でボイスレコーダーを使います。ボールペン型ICボイスレコーダーというものを発見したので、やや試してみたい今日この頃。どなたか使っている方いらしたら感想など教えてください。

しばらく足踏みしてしまいましたが題詠blogに「025:あられ」「026:基」「027:消毒」「028:供」「029:杖」「030:湯気」を投詠。またぼちぼち走ります。
針ほどの殺意萌して黄桃の缶詰は嫌いと言ってるでしょう/ひぐらしひなつ
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04/21/2008
どうにも倦怠感から脱出できずな一日。青磁社の週刊時評の大辻隆弘さんと吉川宏志さんの議論がなんとなく収束した感じなのでバックナンバーを読み返したりして過ごしました。文字ですがライブ感があって面白かったです。自らの志向を理論化することは難しい。そもそも創作するとき最初に動きだす部分は論理や思考を超えた部分のような気がしますから。まず感性ありきの後にそれを論理で裏付けながら繰り返してゆく。作品と批評が地続きであることが見えると信頼できる気がします。
べっぷプロジェクトの主催で朗読ライブが開催されるとのことで、二宮圭一先生からお誘いをいただきました。いきなり初回に出演するかどうかはわかりませんが、今後定期的に開催されるようなので参加するつもりです。また詳細がわかったら告知します。
食べているあいだ頭蓋に触れている ちいさな骨に花の降る日は/ひぐらしひなつ
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04/20/2008
付箋を貼るだけ貼っておいた歌集の読書メモまとめ。整理できたらブログに記録しようと思います。遅読なので溜まる一方です。
Jリーグ第七節、vs磐田は美しく先制するも追いつかれて引き分け。得点チャンスはたくさんあったのだけどツキがなかったです。前半の磐田はぐだぐだで勝つ気が見えなかったけど、後半にゴンが出てきてからはやりたいことが見えてピリッとしました。さすがです。今日は勝てる試合だったから報われて欲しかったけど、仕方ないですね。次は週末にホームで強敵を迎え撃ちます。頑張れ。
アグレッシブさが前面に見えた方が、なにごとにおいても訴求力は強いです。微細なところに神経を使うにしてもラディカルに行かなくては。そんな強度が欠落しがちだなと感じる今日この頃の自分をどうしてくれよう。目の前のすべてを味わい尽くす勢いでいけたらいいんですけど。
さりとて、と歩を緩めつつ図書館のもう葉桜になる下を行く/ひぐらしひなつ
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ふらんす堂のサイトで加藤治郎さんが一日一首ずつ鑑賞してゆく「家族のうた」、四月二十日分でひぐらしの一首を読んでいただきました。※記事の掲載は一日のみなので御覧になる方はお急ぎください。
書架の裏に隠された詩を読みあった病める魂の所有者として/ひぐらしひなつ
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04/19/2008
懸案の平面作品、ようやく着手しました。短歌とは明らかに違う、油彩やパステルとも異なる筋肉を使って描く感じです。ほぼ一日かけて一点だけ仕上げてみたら、油彩のときとはまったく異質な色彩感覚が自分に宿っていることがわかりました。なんというか、亜細亜的だった。もちろん画材の都合もあるんですが。
単純作業はJリーグ第七節を観ながら。名古屋vs千葉、ガンバ大阪vs鹿島、横浜Fマリノスvs清水の三試合。いずれも緊迫した好ゲームでしたね。大分は明日、アウェイで磐田とです。
母から電話で、ある人の体調が思わしくないことを知らされました。わたしが中学生のときとてもなついていた人でした。すごく好きだったなあ。もう五十代半ばになっているはずだけれど、記憶に残る笑顔は最後に会ったときのまま。いろんな事情があってこの先も二度と会うことはありませんが、その人のことは、ずっと覚えていようと思います。
一人またひとり立ち去るやさしさで夕暮れてこの春の終わりは/ひぐらしひなつ
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04/18/2008
告知遅れましたが「CONKA」vol.67、発売になっています。今回の「ひぐらし硯」は別府市の海音寺境内に立つ松尾芭蕉の句碑について。この句碑、関係者には申し訳ないけれどたぶん誤植だと思うのです。あたれる限りの芭蕉の資料にあたったけれどそういうバージョンは見当たらなかったので。今度専門の人に訊ねてみなくてはです。ところでわたしの左斜め上に連載中の二宮圭一先生のコラム、今号は思い出すたびに泣けます。大分近郊の方はコンビニ・書店などで是非御覧ください。
奥村晃作さんが第十一歌集『多く連作の歌』を送って下さいました。まだざっとしか読んでいないのですが、連作について、また奥村さんの文体について考えるきっかけになりそうな一冊です。著者あとがきの表現を借りればわたしは自分を連作型の歌人ではないと自覚しているので、なにかあたらしい境地をひらく手がかりにできればうれしい。読書記録は後日あらためて書きます。
あこがれの人がマイミクになってくださって心が照れている今日。ミーハーと呼びたくば呼べ(笑)。
森で鹿に出逢うように朝が来て封を切るときあなたが香る/ひぐらしひなつ
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04/17/2008
仮眠から覚めたらびっくりするような時刻で、怒濤のダッシュで短歌講座へ。連日の雨とか時節柄とかのせいもあるのか参加者はぐっと少なくて5人、詠草のみ参加が1人。それでも26首を相互批評しました。今日の主な議題はもっとレトリックを使おうということ。一首に含まれる情報量がおなじでも表現次第で歌は扁平にもなるし奥行きを持たせることもできる。散文的発想から離れて大胆に言いきることや情報を提供する順番について、調べに敏感であることについてなどを話しあいました。
帰宅後にそれらのメモをまとめ、寝転がりながら読書。そろそろ月末までに仕上げなくてはならない平面3点のことが気になりつつ、手つかず。油彩でもパステルでもないものを考えていますが、果たして間にあうのか…。
雨を行く春の船たち霞みつつすれちがう逡巡のさなかを/ひぐらしひなつ
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04/16/2008
雨。引き続き黒瀬珂瀾『街角の歌』。
唐突に思い決め行きつけの美容室へ。いつもお世話になっている店長が休みで、迷ったのだけれどたまには違う美容師さんにお願いすることにしました。パーマは十五年ぶりくらいじゃないかな。春だし、よかったかも。担当してくれた美容師さんも会心の出来だと言ってくれました。
ナビスコ杯、vs新潟戦は中継がないためネットの実況スレにて観戦。怪我と出場停止で主力のほとんどを欠くサテライトのようなスタメンでしたが、終了間際に追いついて同点に。あきらめない大分の底力が見えました。他会場では不調だった川崎がジュニーニョのハットで勝ち、清水も大量得点。26日にホームであたるマリノスもロニーが調子を掴んだようです。厳しい闘いが続きます。
頬に触れる鋏のひかり雨足の強さを言えば首かたむけて/ひぐらしひなつ
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足立尚彦第三歌集。
2008年4月26日喜怒哀楽書房刊。1,000円。
関連サイト
著者 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/9392/
題詠マラソンを初出としたものも多く、印象深い歌が並んでいた。一度はWEB上で公開された歌集であり初見ではないがやはり一冊のかたちになった方が読んで胸に落ちるものがあった。かねがね言葉の巧みな人だと思っていたが、ちりばめられた言葉遊びやアフォリズム風に描き出される世界観は読むほどにさみしく、単なる技巧としてではなく虚無や孤独との闘いの様相をもって迫ってくる。適度な湿り気を帯びた文体に生じるいい意味での甘さが詩情をくゆらせているように思われた。下に引いた二首目の石鹸の歌などに、突如叫びながらすべてを放り出してしまいたくなる寸前のぎりぎり感のような凄みを感じる。
くるこないくるこな雪の舞う夜は待たず待たれず酔う寒いから
石鹸が使われ小さくなるときはいつもあかりに照らされている
小京都の小のほどよき健気さを保ち続けているのもだるい
台風の進路が徐徐に西にずれ東に安堵する人だらけ
窓よりもぜったい広いはずなのに秋空の青 くくられたあお
傷のない卵をふいに割るようにおまえを抱けばこんなに今日だ
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『街角の歌』著:黒瀬珂瀾
出版社:ふらんす堂 定価:2,000 円(税込)

黒瀬珂瀾くんが2007年「ふらんす堂」サイトにて毎日連載した「街角の歌」が一冊の本になりました。8月7日付でひぐらしの一首も紹介されています。「街」をテーマにした近代以降の歌を丁寧に読み解いた鑑賞文たち。三百六十五の角度から都市や時代や短歌のありようが浮き彫りになってゆくようです。是非ご一読を。
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04/15/2008
なんとなく一段落ついた感じで、机の上にたまっていた郵便物や読みたかった本などをひらいて過ごしました。歌集についてはやはり読むだけでは足りないので、また読書記録を再開しようと思います。「エデンの廃園」にエントリーしたログもこちらに移転させようと考えつつ。
昨日富士紡績工場でリラックスしたのがよかったのか少し風通しがよくなったようです。たとえば料理にもうひと手間かけるとか鏡に向かう時間をすこし増やすとかいったささやかなことがらが日々を満たすのだと知ってはいても、煮詰まりがちな時期にはそれさえもできなかったりするもので、やはり刺激と開放(あるいは解放)は適宜必要なのだなと思う次第です。
自転車に乗ってあなたの悪筆が桜のしたを運ばれてくる/ひぐらしひなつ
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04/14/2008
午後、「風の卵」から藤崎さんの作品を搬出。積込みを終えてからふたりで八幡の富士紡績工場へ行きました。明治四十五年創業当時の洋風建築を残した、美しい場所です。奥までは入れないのですが変電所跡を眺めたり売店でお菓子を買ってお茶を飲んだりしました。古い建物がとくに保存しようという意図を見せずに風にさらされているのはいい感じです。今後のことや秋の展覧会についてとりとめなく話しながら、あまりの居心地のよさに思わず長居。藤崎さんもわたしも仕事のストレスなどで鬱々としていたのですが、帰る頃にはなんとなくすっきりした気分になっていました。
帰宅後、原稿の入稿と校正。次号の発注ももう来ていますが、とりあえず一段落です。
坂道を追って下れば春の陽は翳りを知らぬひかがみに降る/ひぐらしひなつ
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04/13/2008
朝、車の定期点検のためディーラーへ行き、その足で所用のある各所へ。結構駆け足でまわったはずでしたが、行きたかったイベントには行けずじまいでした。残念。折角お誘いいただいたのに、関係者の方ごめんなさい。
月刊「セーノ!」誌上歌会「短歌の花道」、お題は季節を考慮して出題することが多いのですが、発売日と締切日の時差も配慮してもらえるようにしました。6月号掲載分「雨」の締切が桜の満開の時期で、花に降る雨の歌がとても多かったので。ちなみに5/10締切の題は「青」。6/10締切分は「書」です。ふるって御参加ください。
普段持ち歩いているバッグが派手で目立ちすぎる気がしたので人目につかないよう目立たない鞄を買おうと思い、迷いに迷って結局アナスイのショルダーを購入。かえって派手になりましたやん、と自らにツッコミつつ帰宅しました。あきらめも肝心ということですか。
消毒薬嗅ぎあうように口づける鬱金香の蕊やわき午後/ひぐらしひなつ
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04/12/2008
朝まで原稿にかかって、午前中にがっつり睡眠。午後からトリニータ対川崎フロンターレ戦のため九石ドームへ。
いきなり試合開始15分に2枚目のイエローカードでCBが退場となった厳しい試合でした。深谷選手、出場百試合のメモリアルゲームだったのに…。その後は数的不利な状況ながらボランチのホベルトを最終ラインに下げ、夢生がボランチとトップ下を、高松が守備と攻撃を兼任するという超絶的な布陣で闘いました。周作の神セーブやモリゲのスライディングで防ぎつつカウンターで得点も狙う、まさに死闘。川崎の不調にも助けられたのでしょうが、見ていてあんなに体力を使った試合は初めてだったかも。あわよくば勝ち点3をと思ったけれど、この引き分けは勝ちと同じ重みでしょうね。終了後、選手たちを拍手で迎えたとき、周作選手の笑顔には本当に癒されました。苦境に立たされてスタジアムが一体となった、濃密な第六節でした。
睡眠不足もたたり帰宅後は爆睡。車の点検とかもろもろの用事は明日ということで。
スタジアムは夜に瞠いて闘いののちを冷えゆく惑星となる/ひぐらしひなつ
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04/11/2008
予定を変更して所用に追われました。なんだか慌ただしかったです。
夕刻、「セーノ!」編集部から「短歌の花道」第3回「雨」に寄せられた詠草が届きました。雨、意外と難しかったでしょうか。これから掲載する歌を選んで、原稿を書きます。
どうにも巷のファッション雑誌を参考にできない嗜好をしているので、ファッション雑誌はあまり読みません。マイペースな服飾人生を送ってきたけれど、さすがにいつまでもゴスって歳でもねーよなと自らにツッコミつつクローゼットの整理。自分がどこを目指しているのか最早わかりません。
鳥籠をなくしてからは黒き服ばかり好んでやさしくなりぬ/ひぐらしひなつ
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04/10/2008
午前、病院へ。前回サボってしまったのですこし間があきました。国道から中央玄関へ続く道の両脇で満開の桜がとめどなく散っていて死ぬかと思った。雨に耐えてまだまだ見頃ですね。
夜半、小林亮選手の記事を入稿。短時間でのインタビューだと記事を起こしたとき文体が味気なくなりがちです。字数の都合もありますが、やはり語尾とか独特の間とか、言葉の端々にあらわれる人となりのようなものを描き出したいと思うのです。
病院で、気分転換に景色でも見に出かけたら、と勧められました。出かけたいなあ。このままでは棘を抜かれた状態になってしまいそうです。
言い澱むとき右耳のあたりからみずいろがこぼれだすのを見てる/ひぐらしひなつ
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04/09/2008
土砂降りでした。部屋の中にいれば雨の音は心地よく響くのだけれど。
夕刻から「WG」の「TriFlle」取材。クラブハウスに着いたら大雨のなかまだ練習してました。連敗中だしな…。取材、今回はコバリョウさんこと小林亮選手でした。今季柏から移籍してきたばかりですが、さすが即戦力でがんがん試合でも活躍しています。短い時間でしたがよく話して下さって感謝。個人的にも好きな選手なので是非とも活躍していただきたいです。
帰宅したらネットで注文していたEd Hardyのジーンズが届いてました。ずっと欲しかったのでうれしく。
来月開催される笹井宏之さんの第一歌集『ひとさらい』の批評会に参加する予定です。こういったいわゆる「読みの難しい」歌はひとりで読んでいると知らず世界を固定してしまうことがあるので、ライブで刺激を受けに。九州でこうした集まりが開催されることは希有なので本当に助かります。
ときどきは浮上しながら読みすすむ夜さらさらとこぼれつづけて/ひぐらしひなつ
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04/08/2008
眼精疲労がピークに達した感じだったので今日は一日眼鏡で過ごしました。近視になったのは小学校5年生のときで眼鏡は当時からかけたのですが、すぐにコンタクトレンズに移行したので、眼鏡にはいまだに慣れずにいます。眼鏡の似合う人ってうらやましいんですけどね。
最近ちょっと冴えない感じなので、明日の取材の準備にはしっかり時間を費やしました。短時間で効率的に、でも感じよく、相手に話してもらうこと。インタビューの仕事は、相手について下調べしてゆくことは当たり前ですが、それ以上に、わたしでなくては聞き出せなかったことを聞かなくては意味がないと思うのです。
明日は気持ちよく人に会えるよう、すっきりした気分で行ってきます。
桜つづく道の途中ですれちがう人みな昏きorganを抱き/ひぐらしひなつ
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04/07/2008
一日中原稿にかかりきりでした。なんとなく冴えないときは文章にもメリハリがなくなりがちなので、どうにか気合いを入れたいところです。と思っていたら知人からドリンク剤の差し入れが。おかげさまで入稿は無事に終えました。
それから「短歌の花道」6月号のために「雨」のうた探し。今回の一首評でとりあげるのはどんな歌にしようかと考えるのは楽しい仕事です。ちなみに自分の詠草はまだできてません…。
低く飛ぶ海鳥、忘れられぬ本、長く影ゆがませて歩けば/ひぐらしひなつ
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04/06/2008
風邪が治りきらず集中が雲散霧消する感じです。エリエールの「ウイルスブロック」というティッシュを使っていますが、やわらかくて強くて三枚重ねでいいですね。
風の卵オリジナルTシャツの販売がはじまっています。いまのところ「風の卵」と「きりん堂」のふたつのブランドになります。ラインナップは今後さらに増える予定です。御覧下さい。
たてがみをやすませながらやわらかい水を呼び込むかたちで眠る/ひぐらしひなつ
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04/05/2008
急ぎの原稿、取りかかってはいるのですがどうにもキレがよくなくて進まず。集中力を著しく欠いているらしく、なにをやっても水のなかにいるような感じでもどかしい一日でした。
午後、Jリーグ第5節、対大宮戦をテレビ観戦。あまりに不甲斐ない三連敗でした。前半はよさそうだったのに、一点先制されたあとの何とも締まりのない展開にがっくり。
結局ぐずぐずと原稿をいじっていて朝になりました。すこし寝ます。
春のため狂ってしまった部屋にして届かずにいる受話器その他に/ひぐらしひなつ
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04/04/2008
からだからなにかが抜け落ちてしまったような感じでふわふわしています。やるべきことを粛々と、できるだけ淡々とやること。喪の仕事というのは丁寧に行われなくてはならないので。
夕刻は「セーノ!」の取材でした。なんだか手放しで世界のなかにいるような感覚がつきまとっていて、いい取材ができたかどうかよくわからないのですが。
疲れているので早めに寝ます。
花束の花を数えてもう一度花を数えて窓からひかり/ひぐらしひなつ
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04/03/2008
仕事が混んで足踏みしていた題詠ブログ、ようやく「021:サッカー」「022:低」「023:用紙」「024:岸」をトラックバックしました。題詠を集中してやると自分の手元にある語彙の少なさが歴然とします。しかし打破しようとすると歌にならず。新しいアプローチはつねに探しているつもりなのですが。
ROLLYさんが佐藤研二さん、ロジャー高橋さんとやっているバンド「卍」が今月19日に発売する1stアルバム『卍』を予約。ツアーで九州にも来てくれるのが楽しみなのでした。

【追記】夕刻、重い衝撃が。突然の訃報でした。どれだけ苦しかったのだろうと思います。それでも生きていて欲しかったというのは遺された者の身勝手に過ぎず、残酷なことなのでしょうか。本人が苦しみ抜いて選んだ結論であったとして、これ以上彼を責めることも空虚で無責任に思えるのです。できることと言えば、わたしたちはここに残って、彼のぶんの十字架を背負って歩いてゆくことだけ。ただ、そういうことです。
諾えぬまま受け容れるほかのないそれは桜の満開の日の/ひぐらしひなつ
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04/02/2008
月刊「セーノ!」5月号が店頭でも発売になっています。「短歌の花道」、今回の題は「母」ということもあってか美しい歌が多かったですね。もっといろいろな切口でも歌えると思うのですが、それは今後に期待ということでしょうか。次回6月号の題は「雨」。10日が締切です。わたしも頑張らなくては。
夜はJリーグ第3節、対ガンバ大阪を観戦。平日の割にスタジアム来場者が多い印象です。試合は2-1で負け。夢生のミラクルゴールや周作のスーパーセーブなどいいプレーもいくつかありましたが、やはり一瞬たりとも隙を与えては駄目で、好機を逃しても駄目、ということが浮き彫りになった一戦でした。エース不在が響いて攻撃のアイデアに乏しいのも痛いですね。ガンバは好きなチームなので対戦すると応援に力が入ります。微妙なジャッジへのブーイングもあって喉が嗄れました…。しかしやっぱりミチはすごいな。速くて巧いしパワーがある。ヤットは相変わらず美しかった。チームとしてのまとまりも相手が上でしたね。でも次節は勝ってもらわないと。気持ちよく取材させてもらいたいので。
ある事象に対して是か非かの判断を下すことにいつも躊躇いを感じてしまうので、しばしば社会詠に躓くことがあります。その迷いも含めて歌うためには現在自分の持っている抽出しではない方法がきっと必要なのですが、それを後押しする事象への関心とか考察とかもまた緩い、と自覚しているのでした。
声高な主義から零れゆくものをカウントしつつ剥く落花生/ひぐらしひなつ
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04/01/2008
早朝よりコラムを仕上げて入稿。熱はないのですが咳き込むたびに胸と背中が痛んでグロッキーです。出かける直前まで横になり、取材へ。一時間ほどで戻り、ふたたび別の原稿を仕上げて入稿。
ふと耳に入ってきた情報で、大学時代につきあっていたひとの近況を知りました。当時から抱いていたスポーツ選手になる夢を見事に叶えたことも、その世界では成績がぱっとしないままでいたことも、ときおり風の噂には聞いていて、それでも変わらず頑張っていることに励まされたりしていたのでした。一度いろんな意味で挫折しかけたけれど現在はまた次に向けて歩いているということだったので何となく安心。もう二十年も会っていないしこれからも会うことはないと思うけれど、存在そのものがエールのようでうれしいです。
夜、現実と詩が乖離していないことをどうやって人に伝えたらいいのだろうと悩む事態に直面。そもそもそれを理解するコードを持ちあわせていない人には無理な話なのではないかとも思いつつ、そういう世界/文体があることの理解を迫る、という状況に。結局自分の視野を提示することしかできないのかな…とりあえず、第一段階としては。
辞書を繰るとき立つ風のさやけさに囁きかけて守れぬ秘密/ひぐらしひなつ
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