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06/04/2004

『すばらしい日々』本田瑞穂

Subarashii_hibi

本田瑞穂第一歌集。
2004年6月4日邑書林刊。1,905円。

関連サイト
著者 http://singasong.sunnyday.jp/

やさしい指のあとが見えるような歌の数々は実に丁寧に詠まれた印象を与える。果てしない暗闇からひかりのほうへ歩もうとするきもちと、失われてしまったものやこれから失われてゆくだろうものへの祈りに支えられているので、たくさんついた附箋のなかから歌をしぼりこんでゆくと、たましいの上澄みのようなものが残る。歌集タイトルとなった「すばらしい日々を半音ずつ上がり下がりしながらやがて忘れる」は、そのわずかな抑揚でうねるしらべの美しさとすべてが無音にかえってゆくような結句が見事だ。

晴れの日も自分の好きな色ひとつうしなっているこのごろの母
鳩の足赤いまばらな人影のなかをひたひたひたひたあかい
なつなつと両手をかざすこの夏はただそれだけでありますように
ゆっくりと歩いた春の一日のこと持ちかえた左手に湧く
ひんやりと朝の空気に踏み出してこの晴天のなかのさよなら
すばらしい日々を半音ずつ上がり下がりしながらやがて忘れる
ぬけおちたまんなか抱えながら聴くあなたの生でやさしい声を

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